2017 May
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マルセル・デュシャンのようなさりげないけれど強いメッセージのあるアーティ ストが好きなので、草間弥生のような「強烈」な作風に今ひとつついて行けない・・・。でもとにかく見ようと六本木の新国立美術館へ、最終日とあって信 じられない人の列。昔、パリのグランパレでゴーギャン展を見た 時に8時間 待った事を思い出したけれど、やはりそこは日本らしく皆さん本当にきちんと速 やかに列を整え、あっという間に会場へ。最初の大ホールは 作品をバックに自 由に撮影できるのも作品を身近に感じられてとても楽しい。ルチオ・フォンタナ に借金をして製作した銀のボールと共にヴェネチア・ ビエンナーレ自主参加と いう過去や病院に住み製作していることなど驚くエピソードは続くけれど、やは り芸術に対する真摯な姿勢とピュアな心に素直 に感動する。ミュージアム ショップの売れ行きもすごく、こちらもレジまで展覧会の入場並みの待ち時間。 外に出てみると木々も草間ドット、まだまだ 入場チケットを買うまでの列が続 く・・・。 |
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母校にて、幼稚園の同窓会の前に資料館で「宮廷装束の世界」展を見る。霞会館 の協力の下に宮中の装いが蘇るこの展覧会、「衣冠束帯」や「十二単」 と呼ば れる公家・女房装束は律令制と共にその祖形は大陸からもたらされ豊かな日本の 四季の中で変化を遂げてきた。洋装が取り入れられた近代の皇室 では、祭祀・ 儀礼の装束として保存され継承されてきたこの芸術に、染織・工芸・絵画・資料 など多くのキーワードから様々な皇室の大きな役割を感じ ることができる。幼 馴染みと一緒に拝見するも嬉しいご縁・・・。 |
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世界遺産になった上野の国立西洋美術館に「シャセリオー展−19世紀フラン ス・ロマン主義の異才」を見に行く。テオドール・シャセリオー (1819-1856)の芸術を日本で始めて本格的に紹介する展覧会。作品は もちろん、さまざまなバックグラウンドを各時代ごとに追って行くと、 思わぬ ところで思わぬ作品や作家と繋がっているのが面白い。松方コレクションが一 時、パリのロダン美術館に保管されていたことを始めて知る。 |
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松方コレクションがフランス政府から返還されるために1959年に建てられた 国立西洋美術館、原案では写真のギャラリーになる予定であった19世 紀ホー ルはほの暗い大空間に天井からの光が何ともシュール。常設展はこの松方コレク ションを核に中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画とロ ダンを中心と するフランス近代彫刻を展示している。今では世界遺産関係の説明資料のパネル が展示され台東区のボランティアの方々が説明の補佐をさ れている。インドの アーメダバードやチャンディガールで見たコルビジェ作品を思い出す。 |
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スイス人の建築家、マリオ・ボッタ設計のワタリウム美術館に「坂本龍一|設置 音楽展」を見に行く。坂本龍一の8年ぶりのアルバムasyncが発表 され「あまり に好きすぎて誰にも聴かせたくない」という本人の思いをそのままにリリース以 前の視聴やサンプル盤の配布が一切行われていなかった。 こ発売後数日経った 4月4日から「良質な環境で音楽に向き合ってもらえたら」と言う思いからス タートしたこの展覧会、本作が「映像喚起力の強い音響作品である」と言う点 から、5.1chサラウンドを坂本龍一が最も信頼するムジークエレクトロニク ガイサイン製スピーカーにて再生するインスタ レーション空間を、長年のコラ ボレーターであるダムタイプの高谷史郎の手を借りて2階を構成している・・・ と難しいながらに「音を体感する」展覧会。 展示の中に大好きな中谷富士子さんのフランスで出版されたDVDがあり何とな く嬉しくなる。 |
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本郷にある老舗のカフェ・コンサート、今晩は敬愛する友人のご子息様の演奏に よるピアノトリオのコンサートにお招き頂く。サントリーホールアカデ ミーで 研鑽を積む白井麻友(ヴァイオリン)、秋津瑞貴(チェロ)、高橋里奈(ピア ノ)による室内楽、ベートーベン、ブラームス他パリのカフェコン サートのよ うな素晴らしい空間と時間。楽器の音色はもちろん、奏者の息使いまでが真近に 感じられるのもカフェ・コンサートならでは。日本には珍し くワインを頂きな がら・・・と言う朗らかな雰囲気も素敵。トリオの皆さんのフレッシュな演奏に 感激する。 |